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―シンコウカンジキ開発秘話―

  私と"カンジキ"との初めての出会いは、今から三十数年前に遡るが、私が生産工場を東京から秋田へ移したのがきっかけだった。

  当時、私はCBの通信機、ラジコンカー、トランシーバー等の製造会社を営み、最初は自宅で製造していたが、徐々に仕事の量が増え、少し広い工場を借りて引っ越した頃には、大手出版社より発注のトランシーバーが大半を占めていた。

  そんな頃、ひょんなことから秋田とつながりができ、北秋田鷹巣町七日市を知った。東京での人件費に頭を悩ませていた私は、県から七日市役場跡の土地建物を譲り受け、近くに住む主婦達の協力を得ることができたので、生産工場を秋田に移し再出発した。

  秋田の言葉や"なまり″ に多少苦労したが、習うより慣れろの心意気で、それほど不自由は感じなかった。雪国の人は噂どおり忍耐強く、よく働いてくれた。数年を経た頃には、秋田は私や家族にとって、自分の田舎のような存在になっていた。雪国秋田と言っても、普通の生活を送るには主題となっている"カンジキ"はそれほど必要とはしない。

●狩猟と力ンジキ

  しかし、ここからが本題である。"カンジキ"は、狩猟をする人にとっては最も大切な必需品である。カンジキがなければ、獲物を追って雪山は歩けない。

  幸か不幸か、工場の女性従業員(もちろん秋田美人である)のご主人の中には狩猟をする方が多く、猟に出ると獲物をぶら下げて来ては、工場の中で酒好きの私と獲物のヤマドリ(その日によってカモ、キジ、ウサギ、クマのときもある)を鍋にして、よく酒を酌み交わした。寒い雪国二ならではの脂の乗りきったヤマドリの "切りたんぽ鍋" の美味しさは今でも忘れられない。実は、秋田の猟には足下にも及ばないが、私も東京で十代の頃から空気銃でハトやスズメを撃っては食していたので、まだ知らない雪国の猟の話を聞くのは毎回楽しみであった。

  また、当時、猟友会の会長をされていた長岐九平さんの家がすぐ近くにあり、頑固な方だが私とは気が合い、何でも言い合えるほど親しくなった。会長から猟の楽しさを聞いているうちに、猟の魅力に取りつかれ、自分では気づかぬうちに、秋田での狩猟の醍醐味にどっぷりとはまっていた。

  当時、まだ若かった私は東京で銃の免許を取り、いよいよ秋田での猟が始まった。雪国での猟については、長岐会長を筆頭に猟友会の仲間にイロハから指導を受けた。いや、指導されたと言うより、頭からたたき込まれたと言ったほうが正確かも知れない。

  なにしろ、"カンジキ″については、名前ぐらいは知っていたが、履いて歩いた経験などなく、そんな初心者に一から教え込むのであるから、それは大変だったと思う。私のほうは、怒られたり怒鳴られたりして、頭に血が上ったことが何度もあったが、やはり私は猟が好きだったのである。カモのとや撃ちから、ウサギの巻狩りまで本当によく教えていただいた。

  カンジキを履き、獲物を追う仲間の後ろを必死に追い、毎日よく歩き回った。私の "カンジキ" は猟友会の人が作ってくれた。最初は丸形の "カンジキ″だったが、歩いていると足と足がぶつかるため、楕円形の "カンジキ"に作り直してもらった。今度は、足がぶつかることはなかったが、カンジキの底に氷雪が付着して、歩いているうちにどんどんと雪がこびり付き、とても歩きづらかった。

  ビニールテープで"カンジキ"をグルグル巻いたりして、雪が付きにくいように工夫したりもした。販売されていた "カンジキ″も使ってみたが、やはり同じだった。

  それでも、一〇年以上猟を続けていると、少しずつ慣れていった。"カンジキ" に関しては、雪国で慣れた人でも満足していたわけではなかった。雪が付き、固まって歩きづらい、足腰が痛くなる、簡単に取り外せない、手入れが大変・・・と、様々な不満を持っていた。

  一度、長岐会長がカンシャクを起こし、「オメエ社長ダべ、こんなきりから(駄目な)カンジキ、ハーダメダ、イイ(良い)ノ、ツレッテバ(作ってくれ)」と言ったことがあった。もちろん、会長だって私が特別な"カンジキ"を作れると考えていたわけではない。よほど腹が立ったのだろう。

  私の"カンジキ"の手入れは、いつも手抜きばかりだったので、よく割れてしまった。そのため、また作ってもらうこともたびたびで、金額の面でもバカにならなかった。猟のときは、長時間カンジキを履き続けるが、いかに慣れたとは言っても、いつも悔しい思いをしていた。

●ある営業マンとの出会いから

  あるとき、東京の会社で、トランシーバーの材料会社の営業マンと"カンジキ"の話になり、いろいろ愚痴話をしていたのだが、フッと"カンジキ" に適した材料があるか相談を持ちかけてみた。熱心な営業マンで、こちらの思いを受け止めてくれ、″カンジキ"に合う材料の資料集めをしてくれたのだ。また、彼は、取引先からその材料を使った製品を何点も取り寄せ持参してくれた。

  こちらにとっては願ってもないことで、いろいろと調べることもできたし体験もできたばかりか、助言までしていただき、本当に助かった。実験の結果、一番割れずに丈夫で雪が付きにくいのは、ユニチカの耐衝撃ナイロンだった。また、強化剤の配合により耐久性も増した。厳寒の中での使用のため、マイナス三〇℃まで耐える試験を行って確認した。工場に温度試験の機械があったことも幸いだった。この材料なら心配ない、大丈夫だ。面倒な手入れも不要だし、工場にはトランシーバーで使っている大型のインジェクションもある。自分の工場で理想の "カンジキ″が造れると思うとうれしくなり、天にも上る気持ちになっていた。

  そこで今度は、猟の親しい仲間に協力を求め、まずどんな形にするのか? から始まり、簡単に脱着できるか? 長く歩き続けても氷雪は大丈夫か? 足腰の負担はどうか?・・・・・等々を検討し、欲も出てきて熱い意見が交わされた。私は、まず出された意見を検討し、一つずつ解決する方法を取ることにした。

●シンコウ・力ンジキの誕生

  問題の解決には、猟友会の仲間のみならず、取引先数社の営業マンが大いに活躍してくれた。"カンジキ″の簡単な脱着方法については、皆でいろいろ実施した結果、ゴムバンドで止めることに決めた。普通のゴムでは、厳寒の地ではすぐ傷んでしまう。そんなとき、他のメーカーの営業マンが「ゴムのことなら任せて」と、こちらの条件にピッタリの自動車用タイヤのチューブを持って来た。

  これは丈夫で、雪も付かずバッチリだった。ゴムバンドだけでは、雪深い所では不安が残るので、ゴムバンドの横にロープ穴を作り、ナイロンローブで足首に巻いて靴に固定して安定させた。また、カンジキの底を山型の形状にして、雪に沈まず雪の抜けを良くし、足腰の負担を軽減した。氷雪の上でも滑らないように、金属製の爪をつけた。材質が耐衝撃ナイロンのため、水の中でも雪の中でも使用でき、また後の手入れは一切不要である。

  この "シンコウ・力ンジキ″の開発には、私以上に猟友や営業マンの協力が不可欠であり、何度も失敗を繰り返しながらも、試行錯誤の中で完成に至った。ちろん、私一人では"カンジキ"の"カ"の字も造ることはできなかっただろう。開発に携わっていただいた方々には本当に感謝している。

  "シンコウ・力ンジキ″は、シンプルな形だが、軽くて(左右で六〇〇g)丈夫で、老若男女を問わず使いやすいカンジキである。カンジキに不慣れな人でも簡単に使うことができる。また、使い慣れた方には、「使いやすい」との声をいただいている。

  このカンジキは狩猟のために開発し、特許を取ったが、狩猟のみならず登山家や山岳写真家、渓流釣りの方、スノーボード、スノートレッキング、スノーシューズとしても使用されていて、本当にうれしい限りである。

  昨年(平成十三)より本格的に販売を開始、内容については「狩猟界」の十二月号(広告)およびインターネットのホームページを参照されたい。今年は雪が早く、また積雪量も多いようで、注文が殺到している。十一月の売上げだけで、昨年同じ月の四倍近くになっている。一度注文くださった方が再度グループでの注文になっているためかとも思われる。

  北は北海道から南は福岡・佐賀県まで、在庫を気にしつつ毎日カンジキの発送に追われている。

  これからも多くの狩猟者に喜んでいただけるよう、努力を続けて参りますので、よろしくお願いいたします。

 

(「狩猟界」2003年2月号より抜粋



ナイロンカンジキSKシリーズ
SK-U


「カンジキ開発秘話」が、
「狩猟界」2003年2月号に
掲載されました。

2006年発売
ナイロンベルト装着可能SK-T


歩き易すさを追求したつま先形状

パイプ状と比べ、丈夫で、
雪に沈みにくい山形の三角構造
(パテント登録済み)

丈夫なナイロンベルトと
ステンレス金具
----- カンジキ開発秘話(その2) SK−U発表によせて-----
 シンコウカンジキ L型 SK−IIを開発しました。
 シンコウカンジキ完成後秋田の狩猟仲間と使用していて、その内、その仲間達から口コミで伝わり、仲間たちを通して他県の猟仲間もシンコウカンジキ持参で猟に出る、それを又、地元の猟仲間達が見て自分達にもとグループ単位で求めてくる。わたしとしては、猟は趣味であって、カンジキを商売にしようとは考えていなかったが、東京の親しい猟友から猟の本に広告を載せて「猟をする人に知ってもらった方が良い、欲しくても売っている所が少ないんだから」とアドバイスを受け、全猟、狩猟界の月刊誌に13年11月と14年11月に広告を掲載した。14年11月の広告は大勢の人からのご注文に発送に追われる毎日でした。インターネットを通しての通信販売も始めました。ネットを通して登山家の人達にも知られるようになり、15年1月、山と渓谷の月刊誌にも広告を載せました。宮城県矢本町の航空自衛隊、青森県むつ市観光協会、栃尾市消防本部等、100組、50組等と納入させていただきました。
 たくさんの方々にシンコウカンジキをご使用いただきましたが、又、それぞれに使用の目的が異なります。秋田での狩猟用に開発したカンジキのため、スパイク付きのゴム長に合わせたカンジキの大きさ、ゴムバンドの長さ等になっていました。登山靴、スキー靴などには、少し小さい、ゴムバンドの長さも短いなどありました。猟の方の中でも体重の重い方、又、地方によっては、雪質の違いなど、色々あり、お客様より多くの提案が寄せられました。インターネットの掲示板の欄にも色々な方の思いなどが寄せられています。提案、要望は電話が一番多かったですが、手紙も何通かあり、その中で北海道の小樽で50年に渡り、大物猟を続けている大出武様が大物猟人50年の経験を通して色々な点を図解入りで助言提案して下さり、又、「これは文句ではありません。改善されれば申し分のないカンジキになると思います。」との添え書きがありました。本当に感激いたしました。
 そこで、皆様のご親切な助言、提案に応えるべく、狩猟、登山、スキー等、それぞれの目的にご満足いただけるように改良に取り組みました。より使い易く、ファッション性にも留意し、まずまずのカンジキSK−IIが完成いたしました。
 SK−IIの特徴は特徴欄でご覧ください。
 皆様に愛されるシンコウカンジキである様にこれからも努力して参ります。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。 

新興電機工業株式会社 新井 孝治    (2003年9月吉日)
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